グローバル企業戦略探訪(1)

三一重工

中国の需要拡大を背景に急成長する三一重工
日本製を凌駕する建機で世界展開強める

制作:東洋経済広告企画制作部

主戦場は中国市場から海外市場へ

奥信彦・顧問
奥信彦
三一海外副総経理
 三一が製造する建機の主要装置・部品は大半が日本製。ポンプ車の車体やエンジンはいすゞ・三菱ふそう、油圧機器は川崎重工など。建機の心臓部といえるコンポーネントは日本製だが、部品の性能を引き出すソフトウエアは、自社のR&Dセンターでの開発。燃費性能は世界一という。価格も日本製より1割安く抑えており、中国国内では日本製をキャッチアップし、市場シェアも追い越す勢いだ。現在は耐久性など品質面の向上に全力で取り組んでいる。そのため、油圧ショベルの掘削部分にあたるアーム、ブームなどの溶接は、「約80%をロボット溶接で行い品質の安定化を図っている」と日本の建機メーカー出身の奥信彦・三一海外副総経理は説明する。

日本製を凌駕し世界市場を目指すためには、全社で徹底した品質向上への取り組みが欠かせない。そこに
妥協はないという(コンクリートポンプ車の組み立てライン)日本製を凌駕し世界市場を目指すためには、全社で徹底した品質向上への取り組みが欠かせない。そこに 妥協はないという(コンクリートポンプ車の組み立てライン)  技術開発に力を入れ、製品の完成度を高める三一にとって、メインターゲットは中国市場から海外市場へと移行している。そこで勝負するのは価格の安さではなく、精緻なマーケティングを通じた最高水準の機械。それによってSANY(三一の呼称)ブランドは一段と輝きを増していくのである。

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5年以内に海外比率を30%に拡大へ
向 文波・総裁
向 文波・総裁

 われわれが製造する建機は、日本の高品質な部品と三一の高度な生産技術が相まってできる最高水準と自負している。この製品を国内はもとより海外市場へ積極的に販売していく方針だ。海外進出にあたって現地企業を買収する考えはない。なぜならば、買収にはリスクが伴うから。日本への進出はもう少し時間がかかると思う。むしろ、南半球、中東、アフリカ、インド、東南アジアなどインフラ整備で需要の高い地域への展開を急ぎたい。

 売上高に占める海外販売比率は、リーマンショックの影響で一時は伸びが鈍化し、現在は10%。これを5年以内に30%まで高められると考えている。そのためにも三一のコストパフォーマンスの優位性を知ってもらい、アフターサービス体制を全世界で構築していく必要がある。海外生産拠点も増やす方針だ。一方、部品の安定供給を図るため、日本メーカーとの提携や合弁会社を設立する計画も推進している。世界中どこへ行っても、SANYのロゴが入った建機を目にする機会が増えるはずだ。

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